基礎体温が高めの方に。亀鹿仙ってどんな漢方?
こんにちは。漢方薬剤師の柳沢侑子です。
今日は、亀鹿仙(きろくせん)という健康食品をご紹介したいと思います。
*日本では健康食品として発売されていますが、中国では漢方薬として使われている処方がもとになっています。
亀鹿仙は、中医学用語でいうと補腎の分類に入ります。補腎薬については過去記事をご覧ください↓
補腎のイメージは、『アンチエイジグ』『元気で長生き』『不老長寿』。食べ物・サプリメントでいうとウナギ、スッポン、プラセンタなど。なんとなくイメージつきますか?
妊活漢方としてよく使いますが、生命力の源の『腎』の力の底上げをします。ですので、妊活だけではなく、様々なお悩み解決につかえます。
例えば、
- 体の疲れが抜けない
- 老化が気になる
- 足腰がだるい
- 更年期症状がある
という場合にも使えます。
では、細かくみていきましょう。
<亀鹿仙の成分のご紹介(中医学的な解説)>
『亀鹿仙(きろくせん)』には鼈甲(べっこう)、亀板(きばん)、鹿角(ろっかく)という3つの腎を補う漢方が配合されています。鼈甲は、スッポンの甲羅のことで、ウミガメの甲羅(玳瑁・たいまい)とは違います。
鼈甲や亀甲は、若返りの薬である“補腎薬”の一種で、生命力の源である『精』を補う生薬です。生殖機能の働きを助けて、女性ホルモンの働きをよくする力を持っているとされ、中国では更年期の予防や、不妊治療によく使われています。不妊治療中の方ですと、その方の状態により使う補腎薬はかわるのですが、鼈甲や亀甲は『腎陰虚、腎精不足』タイプの方に特におすすめです。
もう一つの代表生薬の鹿角(ろっかく)は、陽気を助け、血を養う力が有るとされ、鼈甲や亀甲の陰を補う力とのバランスをとっており、腎陽不足の方にもお使いいただけます。
鼈甲には
- 軟堅散結(なんけんさんけつ)
- 破瘀通経(はおつうけい)
の働きかがあります。軟堅散結とは、簡単に言うと、塊を柔らかくする、血の巡りをよくするので、子宮筋腫の方に使いやすいのです。
補腎薬は沢山あるのですが、亀鹿仙の良いところは子宮筋腫などがあっても使いやすいこと、補腎陰に分類されますので、体外受精などホルモン剤を使用中の方は基礎体温が高くなる傾向があるのですが、そのような場合でも使いやすいことです。
<妊活で使う場合はどんな人にいいの?>
亀鹿仙を妊活で使う場合は、以下の様な状態でよく使います。
- 基礎体温が全体的に高め、(低温期で36.5以上)、もしくは少し低いような場合。
- 低温期が短く排卵または採卵までの日数が短い方(生理1日目から12日以内の排卵、採卵の方は早いです)
- 採卵ができない、卵の育ちが悪い
- オリモノが少ない
- 沢山もしくは長期のホルモン剤の使用により陰虚ぎみ(うるおい不足)になっている方
- 仕事が忙しくて寝ても疲れが取れない方
- 子宮筋腫がある(しこりができやすい体質の方)
漢方を使用する際は、顔色、舌の色、姿勢など拝見してトータルでおすすめしますので、服用をご希望の場合は漢方薬局でご相談くださいね。
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★妊活以外の、おうちでできる漢方の健康法はこちら別ブログに連載していますので、併せてご参考ください。