基礎体温からみる漢方使い分け。
少し間が開いてしまいましたが、基礎体温に関して以前記載いたしました。では、基礎体温をみてそれぞれどんな漢方薬を使うのかざっくりとご説明したいと思います。
(実施に服用を希望される方は、漢方薬局にご相談くださいね)
■生理周期が短いかも
生理周期が22日以内と短い場合は、頻発月経の可能性が。排卵に適した状態まで卵胞が充分に成長できていない可能性があります。中医学的には妊娠に必要な補血、活血に加えて補腎をしっかりしていきます。
→補血+活血+ 補腎薬
補腎薬としては、海精宝、プラセンタ、亀鹿仙、杞菊顆粒など。
■高温期がなく2相にわかれない!
無排卵、無月経の可能性あり。①ホルモンを司り、生殖機能に大きく関係のある“腎”の働きが低下した状態、または、②PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)などの可能性もあります。
→①の場合:補血+活血+補腎薬
②の場合:補血+活血+痰湿
①は、卵巣にとにかく元気を与えるような漢方を、②は卵はあるのだけれど、卵巣内に痰湿という、いらないドロドロとしたものが体内にこびりついていると考えます。こびりついているものが綺麗になれば、卵は育ち排卵しますので、この場合はシベリアレイシなどよく使います。活血薬にも、気血を巡らせて、余分なお水をとる桂枝茯苓丸や
芎帰調血飲第一加減などを使うことが多いです。
■高温期への移行に時間がかかっている
だらだらと基礎体温があがり、高温期の移行に時間がかかるタイプは(4日以上)、気血の巡りが悪くうまく排卵できていない可能性があります。気血の巡りを良くして勢いをつけて排卵の勢いをつけてあげます。
→排卵期に活血+理気薬を入れるなど。
冠元顆粒や、開気丸、逍遥丸など使っていくことが多いです。
■高温期が短く、途中で体温がさがっている
高温期が10日続かないときは、黄体ホルモンの働きが低下して、受精卵が着床しにくい状態になっていたり、低温期の卵胞が成長していない可能性があります。
→基本の補血や活血や補腎薬はつかっていきますが、胃腸が弱くても、高温期の維持ができないと考えますので、胃腸にいいお薬を使うことがあります。
■体温の変動が激しくガタガタ
自律神経が乱れ、気血の巡りが良くないタイプが多いです。またプロラクチンが高く、妊娠に悪影響を与えてる可能性があります。
→炒り麦芽、ストレスを緩和させる、逍遥丸、加味逍遥散など理気薬を使っていきます。
■生理中の体温がなかなか下がらない、生理中に体温があがっている
“血”の巡りが滞った瘀血の状態。生理痛が酷く、経血に塊が混ざるタイプは、子宮内膜症の可能性もあります。
→活血薬をしっかり使っていかないといけないタイプです。破血という種類の水快宝や爽月宝など。生理痛が酷い方や子宮内膜症の方には爽月宝を使用することが多いです。
ざざっと、書いてみました!
皆さんのご参考になれば幸いです。
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★妊活以外の、おうちでできる漢方の健康法はこちら別ブログに連載していますので、併せてご参考ください。